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散水栓のクロスコネクションに注意

カーポートの洗車や庭の植木の散水用に、敷地内にどの位置からでも使用できるように、“散水栓ボックス”を敷地の対角に2箇所程度、設置することが多いです。散水栓ボックスのカランには、ホースをつないで使用しますが、排水はありません。排水を接続しないのが通常です。

散水栓ボックス底部に、細い排水パイプが見える場合もありますが、排水管に接続されているわけではなく、単に浸透を助けるだけです。

散水栓ボックス内部が土のままになっており、溜まった水を自然に浸透させることになります。中には、見栄えをよくするために、モルタルで塗る場合もありますが、よいことではありません。ところが大量に水を使用すると、土質にかかわらず、浸透だけではまかないきれません。ホースと蛇口の接続部分からこぼれた水が、ボックス内に溜まり、溢れることもあります。

そのときにホースを外すとどうなるでしょうか。溜まった水の中に、散水栓の蛇口があります。負圧になったときに、上水配管に、汚れた水が浸入することになります。散水栓の排水は雑排水として扱われ、上水とは別にしなければなりません。この現象は“クロスコネクション”と呼ばれ、禁止されています。上水と下水が混合することになります。

よく見られる現象ですが、入居者に使用法を注意したいところです。何気なく行うのですが、衛生的に問題です。建築主には、言われないと分からないところですから、メンテナンス担当者の責任で説明して下さい。

なお、ボックス型と異なり、“コン柱型の散水栓”には、通称、足洗場を設けて、排水をとることになっています。昔は足洗い場をモルタルで作成していましたが、近年では樹脂製の既製品を使用することが多いです。コストは、足洗い場と排水接続が必要となるため、コン柱型が高くなります。足洗い場に、バケツを置いて使用しますので、一般にクロスコネクションにはならず、問題ありません。ただし、雨水ではなく、雑排水(流し・風呂・洗面・洗濯)の扱いを受けますので、雨水会所に、流すことはできません。雑排水会所に接続します。庭の池に、ホースで水をいれることもありますが、その際、ホースを池につけたままにしておくと、同様の現象になります。


写真1 ボックス型と水溜り

一般のボックス型散水栓には、底が土のままですが、すぐに水が溜まり、クロスコネクションになります









写真2 コン柱型散水栓と足洗場

散水栓コン柱型と足洗い場は樹脂製の既製品です。ホースを接続してもクロスコネクションにはなりません。 








写真3 ボックス底モルタルボックス型散水栓の底にモルタルを見栄えよく施工していますが、水が溜まりやすくなります。










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