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ドクター雨仕舞い 屋根 雨漏り事例 フラットルーフ①

Updated: Apr 10, 2021


プール付きの屋上の家があります。

適切な構造計算を元に鉄筋コンクリート造で建物を造り、防水工事をきっちりと施工すれば、屋上にプールを造ることが可能です。

溜まった水により、夏場涼しく過ごすことができて快適でしょう。

このような方法をルーフポンドといいますが、住宅においては施工の困難さ・メンテナンスを考えて通常は採用しません。

鉄筋コンクリート造ではなく、木造住宅であり、防水工事は施工してありますが、プールになることまでは想定していません。

意図しない結果になり、溢れた水が室内に大量に流れ込みました。

入居後たったの2年です。

フラットルーフ(文字通り、平らな屋根です)の排水ドレン及びオーバーフロー管が落ち葉で完全に塞がっていました。

建築主は2年間、全くフラットルーフの清掃管理を行いませんでした。ここに住宅の怖さがあります。

設計者・施工者側は当然に、維持管理の説明をきっちりとしています。しかし、いざ住み始めると、そのような面倒くさい維持管理はつい先延ばしになる運命にあります。

管理の難しさは、フラットルーフの状況が通常は見えないからです。

部屋の前にあるバルコニーなら、建築主が異常に気付きます。 フラットルーフは維持管理しようにも屋上に昇る手段が無いことです。

タラップなどが最初から計画され、取り付けてあれば別の結果になっていたと思います。


フラットルーフとは平らな屋根で、屋根勾配がほとんど無いのです。

勾配のない部分では水は流れません。

水を溜める設計になっています。 水は流れるように設計すべきであり、溜めるように設計すべきではありません。

そこを強引に施工力でカバーしようとしています。

しっかりとした施工であればカバーも可能でしょう。

しかしあくまでも可能性であり、将来の長期にわたる確実な保証ではありません。

そのときは問題なくとも、10年後、20年後には必ず問題が生じるといっても過言ではありません。

流行のデザインかもしれませんが、それは維持管理しやすい状況をつくることが前提です。職人の技能に期待し過ぎるとバラツキが生じ、問題が起こる可能性があります。

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